朝早く1日を開始したら、1日がとても長くなります。今回のおすすめは、映画「男はつらいよ」の舞台として知られている柴又。
京成金町線の「柴又」駅から出た瞬間、トレードマークの帽子と鞄を見につけた寅さんと、そっと寅さんを見つめる、妹、さくらの銅像を目にすることができます。ただ、今回は寅さん抜き!寅さんを全然知らなくても、下町の雰囲気・芸術・食を楽しめる柴又朝満喫コースをご紹介致します。
AM 9:00 山本亭 朝イチでカフェタイム
まずは、朝の静かな時間を山本亭で。
柴又の山本亭は、昭和を思い出させる風情のあるレトロな雰囲気の建物です。木造の建物や古き良き日本の雰囲気が残る内装が特徴的です。
- 入場料金:100円
赤い絨毯が弾かれた、廊下を歩いていくと、日差しが差し込む大きな畳の部屋が広がります。ゆっくり廊下を歩いてみたり、風が吹くとガタガタ音の鳴るガラス窓から、お庭の景色を眺めたり、タイムスリップしたような昭和の雰囲気を感じることができます。
テーブルのお部屋を、奥の方に進むと、畳の間にある、大きな花菖蒲の壁画も素敵です。そのまた奥には、雰囲気一変。レトロな雰囲気素敵な洋室も見てみましょう。
山本亭の楽しみ方!
朝の時間帯だと、人も少なく、静かな空間で、床や、ガラスが軋む昭和の音が聞こえてきます。ぜんざいなど甘味を楽しみながら、温かい日差しの中、ゆったりとした時間を過ごしてみましょう。
- ぜんざいセット:600円(煎茶、ぜんざい)
- お抹茶セット:700円(抹茶、和菓子)
ぜんざいは、甘〜い汁に、しっかりとした味の小豆。そこに煎茶を一口飲んで、お庭を眺める…何より贅沢な時間です。午後になると、売り切れることもあるので、お早めに。
AM10:00 帝釈天 彫刻ギャラリーを楽しむ
次は、柴又観光のメイン。「柴又帝釈天」の名で知られていますが、実は正式名称があり、「経栄山題経寺(きょうえいざん だいきょうじ)」といいます。
山本亭から柴又駅方面に戻り、帝釈天の正面の門に向かうと、立派な門「二天門」が見えます。
こちらを入っていくと、帝釈天の名物「瑞龍のマツ」と、木造の立派な「ご本尊」が目に入ります。
「瑞龍のマツ」は、その名の通り、龍の如く横に広がっていて、迫力があります。
そして、ぜひご覧になっていただきたのが、帝釈天の穴場スポット帝釈堂内陣の外側を見れる「彫刻ギャラリー」。 ご本尊の右側から裏に進むと、彫刻ギャラリーの料金所があります。
- チケット代:400円
壁面には、繊細でかつ立体的で迫力のある、木彫りの彫刻が一面に広がります。彫刻は、仏教経典の中でも最も有名な「法華経(ほけきょう)」の説話を題材にして彫刻しています。
「法華経(ほけきょう)」の説話の彫刻は、10枚で構成されており、1枚に一人、10人の彫刻師が、大正末期より昭和九年までの十数年をかけて完成させたと言われた追います。
「法華経(ほけきょう)」がわからなかったとしても、海!雲!木!など自然の表現だったり、彫刻されている人物のお顔の表情だったり、見どころたっぷりなので、楽しめます。
天井部分の狛犬や、龍も見事。
また、1階、床下部分には、迫力のある大きな龍の彫刻があります。帝釈堂は、複数の龍が支えられていました。
AM11:00 ランチ
芸術鑑賞の後は、早めのランチです。ご紹介するのは、柴又の老舗鰻屋さんの「川千屋(かわちや)」と、ごま油で揚げたサクサク天丼が人気の「大和屋」の2件です。
オススメ1. 豪華ランチ「川千家」の鰻
柴又の「川千家(かわちや)」は、江戸時代から続く老舗の鰻やさんです。11:00の開店とともに、並んでいたお客さんたちが一斉にお店になだれ込みます。鰻は、全てオーダーが入ってから蒸す・焼くの調理をするので、時間には余裕を持っていきましょう。
鰻重のお値段は、下記の通り。価格が上がるほど、鰻の量がたっぷり(ご飯の量は変わりません)。
- 松:6,000円
- 竹:5,000円
- 梅:4,000円
鰻はふわふわ、タレが濃すぎず、鰻本来の味をしっかり味わうことができます。
こちらは、「梅」の鰻重。川内屋の鰻重は小さめで、女性の方もぺろっと完食できるサイズです。
鰻重ももちろん美味しく、鰻の肝のお吸い物や、ちょっとしたお漬物まで美味しく堪能できます。
オススメ2. 寅さんも愛用した「大和屋」の天丼
ランチでもう一つオススメなのは、「男はつらいよ」の撮影の合間に、山本洋司監督や、寅さんも愛用していたという下町風情のある天丼やさん「大和屋」。
お店の近くにいくと、ごま油の香りが漂ってきます。ごま油で揚げた、さっくりとした天丼が有名です。
お土産
「大和屋」の草団子
さて、帰りには、下町のお土産を。柴又といえば、「とらや」「吉野家」「髙木屋老舗」の三つが大変有名ですが、実は天丼やさんの「大和屋」の草だんごも大変美味しいです。右側で天ぷらを揚げていて、左側では草団子を販売しています。
- 15個 600円
あんこは、こし餡と粒あんを選ぶことができます。これでもかというくらいたっぷりとあんこを入れてくれるので、団子の箱があんこで盛り上がっている!
濃い緑色のお団子は、ヨモギの懐かしい香り素朴なお味。ここに、甘いあんこをたっぷり絡めて。緑茶と一緒に頂いたらとてもおいしかったです。
その場でブレンドする「七味」
もう一つオススメなのは、参道の入り口にある、七味やさん。七味をその場でブレンドしてくれます。そして、なんと言っても、おじさまの実演販売(?)がエンターテーメント。下町風情のある言葉で、七味を説明しながら、七味をその場でブレンドしてくれる姿が、男は辛いよの世界に入り込んだような気がして楽しいです。
7種類のスパイスは、赤唐辛子、陳皮(ちんぴ:みかんの皮を感想させたもの)、
青のり、山椒、白胡麻、炒めた赤唐辛子、そして麻の実です。それぞれの色がはっきりしていて、色鮮やかです。辛さは、大辛・中辛・小辛いから選択可能。その場でブレンドしてくれるので、辛めの中辛や、山椒増しなど、好みの味に微調整してもらうことが可能です。そして、混るほどにスパイシーな香りが漂ってくる!
- 価格
- 大袋:1,000円
- 小袋:700円
おまけ:名物お姉さんがいる「玉や」
柴又駅から、寅さん像と、さくら像を過ぎたあたりに、小さな賑やかなお店が一つあります。ここには、金のうんこや、招き猫など縁起のいい置物などを販売しているお土産やさん。こちらには、名物お姉さんがいるのでぜひ話しかけてみてください。柴又大好きなお姉さんが、柴又のオススメ観光スポットや、帝釈天についてなど、親切に楽しく説明してくれ、下町の人情を感じることができます。
シュロたわし
玉やのお姉さんのイチオシは、シュロたわし。「シュロ」とは椰子の木のこと。シュロの繊維は、それ自体の油分により、耐水性に優れ、弾力があり、かつ柔らかいです。そして、パームのタワシより繊維が細いため、密度が高いという特徴があります。お姉さんのオススメは、牛蒡の皮剥きや、野菜洗い。皮をむききらず泥を落として薄皮を残したい場合など大活躍とのこと。また、実は踵洗いにも。足の裏全体をマッサージしたり、踵とゴシゴシすると刺激になり、かつ踵もツルツル。思わず買ってしまいました。耐久性が高いため、持ちも良いです。
まとめ
いかがでしたか?下町の人気の観光地柴又ですが、朝はやくに訪れると、いつもの喧騒とは異なる静けさや、街並みを感じることができます。朝の時間を柴又で満喫してみましょう。